ネガティブな人を「うざい、話しているとイライラする」と感じる理由
例えば「どうせ僕なんて……」とか。恋愛で言うなら「どうせ私のこと好きじゃないんでしょ!」とか。
かくいう私が現在付き合っている方も、口を開けば「かなしい」とか「やだやだやだ!」とか、前述したような「私だけが好きなんだ! あなたは私のこと好きじゃないんでしょ!」とか。他には「私だけがあえなくて寂しいんだ……」とか。
……すみません、愚痴っぽくなりました。
まあそんな感じで、どうしても口からポロポロと、喜怒哀楽で言うところの”哀”の部分がやたら出てしまうという人がいます。
本人は気づかないですが、周りはそんな人を「なんかうざい」、「関わっているとイライラする」と感じるものです。
これはタバコの受動喫煙と似たようなもので、受動ストレスという存在が関わってきます。(喫煙者本人はタバコの煙に対して何も思わないあたりもまさに同じですね)
受動ストレスの恐ろしさ。脳の機能が低下します
- 他人のネガティブな感情にさらされた参加者は、脳の海馬(記憶と推論に大事なエリア)の活動が低下した(2004年,2)
- ネガティブな人を見た参加者は、たった2分で脳の働きが低下した(1981年,3)
いや恐ろしいですね。
つまりはこういうことです。
ネガティブな人の言葉を聞いているだけで
・正常な判断ができなくなる
・記憶がおぼつかなくなる
・ストレスが増加する
特に最後のストレス(コルチゾール)の増加は恐ろしいものがあります。
コルチゾールが増加し続ければ、あなたは確実に不幸になる
- 高血糖と糖尿病:コルチゾールには血糖値を上げる作用があるので、慢性的に分泌されていると、高血糖の状態が続くことになり、やがて糖尿病を引き起こすことに。
- 体重の増加と肥満:コルチゾールには中性脂肪を分解する働きがありまして、内臓脂肪をガッツリと増やしてくれます。また、コルチゾールでインスリンが減った結果、空腹感が激しくアップしちゃって、食べ過ぎにつながる可能性も大(インスリンには空腹を抑制する作用がある)。
- アレルギーの悪化とガンの発生:コルチゾールはストレスをしずめるためのホルモンなんで、体の炎症をやわらげる作用があります。これは良いことなんですが、同時に免疫系もおさえちゃうもんで、アレルギーの悪化やガンの発生につながるんですな。そんなわけで、体内の炎症は可能なかぎり防ぎたいところです。
- 心臓病:コルチゾールには血管を収縮する作用があるんで、長く続くと高血圧になりまして、血管にダメージをあたえることに。
- 老化:コルチゾールが多い状態が続くと、脳からサブスタンスPって神経ペプチドが出まして、こいつが全身の細胞に激しい炎症を起こしちゃう。ひいては肌や臓器の老化につながっていくわけですね。
老化によって肌はかすみ、体重は増加し、体の節々が痛くなり、ついには何もする気力がなくなり……。休日ベッドから1ミリも動かない、スマホをいじり続けるゾンビの完成です。
いや、本当に恐ろしい話です。
なぜなら
・受動ストレスをばらまくネガティブな人は、自分のネガティブさを受け入れてくれない周りを恨み、被害者ヅラするだろう点
・やさしい気持ちでネガティブな人の心を支えようとしたあなたの身体は、悲鳴を上げ、未来を暗いものにするだろう点
・なによりタバコの受動喫煙とは違い、受動ストレスは自覚しにくいという点
ネガティブな人を支えていたら、なんだか心身の調子が悪い。そうなったとしても、それがネガティブな人からの受動ストレスが原因だなんて気付ける人はそういません。
更に怖いのはネガティブな人でも、常に全力でネガティブなわけじゃないという点です。受動ストレス全開、みたいな人なら人間関係を切ると判断するのは簡単でしょう。しかし、いい面も人は持っていることがほとんどなわけで、好き好んで付き合っている人なら良い面を見て切る判断が遅れ続けるなんて言うのは間違いなくあることでしょう。
特に「支え続ければきっと変わってくれるはず……!」なんて気持ちを抱いていたらなおさらです。
ネガティブな人がポジティブになるのは難しい、なぜなら方法を知らないから
あなたが仮にネガティブな人を支えようと思ったらどうしますか?
厳しく「元気出せ! 気合い入れろ!」と声がけしますか?
それとも「大丈夫だよ、私がいるよ」と寄り添い続けますか?
残念ながらどちらの選択肢も外れです。なぜならネガティブの原因である”不安”という感情は、自己の認知からくるもののためです。
よくあるたとえ話として、交通事故にあって足を骨折した人達で「足の骨折だけで済んでよかったよ!」と答える人と「交通事故に合うなんて最悪だ……」と答える人がいる。なんていうものがあります。
これと同じく相手の認知が歪んでいる限り、あなたがどんな言葉をかけようともネガティブでい続けること間違いなしです。
(まあもともとはポジティブだったけど、大きなストレスが原因で一時的に病んでいる。という場合はそれが取り除きさえされれば問題なくなるため、支え続けるという選択肢もありでしょうが)
自己の認知を直すためには
1.本人がネガティブな発言をすると、大切な人の心を破壊するということを理解する
2.どんな認知の問題を抱えているか把握する(例えば反芻思考や言葉の裏を読もうとして勝手に不安になるなど)
3.ネガティブな気持ちになった時、自分を客観視し、「今反芻思考しているな……」とか「言葉の裏を読もうとしたな」と考えるなどの認知療法を行う
というプロセスが必要です。
そのため周りができることと言えば、受動ストレスの問題提起をすることぐらいでしょうね。それで当人が解決したいと思うかどうか次第でしょう
ところで、どこまでが受動ストレスなの?
という疑問に答えておきます。
どんなもので受動ストレスが発生するかといいますと、ネガティブな存在全てです。
・疲れ切ったサラリーマン
・SNSでのケンカ
・悲しいだのとのたまう彼女
・単純な愚痴
直接的な言葉だけでなく画像、なんなら雰囲気だけでも受動ストレスが発生することがわかっています。
ネガティブな存在というのはポジティブな言葉の7倍影響度が高いと言われており、それだけ我々はそこに目が向いてしまいます。
多少のストレスであれば問題ありませんが、一日になんども繰り返し受動ストレスを受ければ間違いなくあなたの心を破壊するでしょう。
そうなる前に人の心を変えるか、離れるか。それとも受動ストレスに人生を台無しにされるか。選びましょう
……かくいう私も今付き合っている方と、どう向き合っていくべきか考えなければいけませんね……。